病気/トピックス

インフルエンザ薬、タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザ:この4種類の違い

インフルエンザ

こんにちは、くぼた小児科クリニック松戸五香の医師です。インフルエンザの季節になり、多くのお子様が当院で治療を受けています。今回は、よく用いられるインフルエンザ薬「タミフル」「リレンザ」「イナビル」「ゾフルーザ」違いについてわかりやすく説明します。

目次

  1. インフルエンザとは?
  2. インフルエンザ薬の必要性
  3. タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザの特性
  4. 当クリニックでの診療内容

インフルエンザとは?

ウイルスによる感染症

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の感染症です。このウイルスは非常に感染力が強く、飛沫感染や接触感染を主な経路としています。つまり、インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみをすることで放出される飛沫が他の人に感染する可能性があります。また、ウイルスに汚染された物に触れた後、手で目や口、鼻に触れることで感染することもあります。

 

 

 

 

 

ウイルスに感染すると、通常は1〜3日の潜伏期間を経て、急激な発熱や高熱、筋肉痛、頭痛、喉の痛み、全身の倦怠感などの症状が現れます。特に子供の場合、症状が急速に悪化することがあるため、早めの診断と治療が重要です。未治療や適切な治療が受けられない場合、重度の肺炎や心筋炎、脳炎などの合併症が起こる可能性もあります。

 

 

 

 

 

予防方法としては、インフルエンザのワクチンが最も効果的です。ただし、ワクチン接種後も100%の保護が得られるわけではなく、毎年のウイルス株によって効果が変わることがあります。そのため、ワクチン接種を受けた後でも、手洗いやマスクの着用、人混みを避けるなどの基本的な感染対策は続ける必要があります。

 

 

 

 

 

年齢や基礎疾患によっては、インフルエンザで重症化するリスクが高まります。特に小児や高齢者、持病のある方は注意が必要です。早期に適切な治療を受けることで、症状の軽減や合併症のリスクを低減することが可能です。

インフルエンザ薬の必要性

速効性と合併症予防

インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑制し、症状を和らげる働きがあります。特に診断が早い段階で服用することで、症状が軽減し、回復も早まる場合が多いです。また、重度の合併症を防ぐ可能性も高まります。

主に使用されるインフルエンザ薬には、タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどがあり、それぞれ特性や服用方法が異なります。医師の診断に基づき、最も適した薬を処方します。

 

 

 

症状の軽減

早期治療の重要性

症状が出たら、早期に医療機関での診察が重要です。症状が重くなる前に適切な治療を行えば、合併症のリスクを低減でき、回復も早まるでしょう。特に高熱やひどい咳、嘔吐などの症状が出た場合、速やかに医療機関を受診することが求められます。

小児科での専門的な治療

子供がインフルエンザにかかると、大人よりも症状が重くなる可能性が高く、早めの対応が必要です。くぼた小児科クリニック松戸五香では、お子様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザの特性

タミフル:老若男女に対応

誕生から現在まで

タミフルは世界で初めて認められた抗インフルエンザ薬です。この薬はA型およびB型のインフルエンザウイルスに効果があります。

タミフルの変遷

当初は非常に需要が高く、一時期は在庫切れも起きました。しかし、過去には副作用報告があり、一時は使用が敬遠されました。その後、2018年に全年齢での使用が可能とされ、ジェネリック医薬品も登場しています。

年齢別の服用ガイドライン

タミフルは2週間以上の新生児から使用可能です。用法は体重と年齢に応じて調整されます。

1日 2錠 ✖️5日間 服用

(お子様には小児用のドライシロップもあります)

 

 

 

 

 

リレンザ:吸入型で効果的

適用年齢と特性

リレンザもA型、B型インフルエンザに効果があり、5歳以上の子供から大人までが対象です。

 

吸入による効果

この薬はパウダー状で、自分で口から吸入します。5歳以上で吸入が上手にできる方に特に推奨されています。

1日2回5日間吸入

 

 

 

 

イナビル:短期間で効果

吸入と効果

イナビルも吸入型の抗インフルエンザ薬であり、A型、B型に有効です。

年齢と服用量

10歳未満は1容器20mgで、10歳以上は2容器40mgです。ただし、苦みがあり、吸入後に嘔吐するケースもあります。

吸入薬、1回の吸入でタミフル・リレンザの5日分の効果が期待できると言われています。

 

 

 

 

ゾフルーザ:新世代の薬

ゾフルーザの革新性

日本で開発されたこの薬は、A型、B型インフルエンザに効果があり、一回の服用で済む点が特長です。

年齢と注意点

5歳以上で、確実に錠剤を飲むことができる人が対象です。

1回1錠 1日分 服用

  • 通常、次の用量を単回経口投与となります(体重別です)
  • ①. 成人及び12歳以上の小児(体重80kg以上):20mg錠4錠(バロキサビル マルボキシルとして80mg)
  • ②. 成人及び12歳以上の小児(体重80kg未満):20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
  • ③. 12歳未満の小児(体重40kg以上):20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
  • ④. 12歳未満の小児(体重20kg以上40kg未満):20mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして20mg)

 

 

 

 

当クリニックでの診療内容

当院では、それぞれのお子様に合ったインフルエンザ薬を処方します。

診療の流れ

  1. 症状と年齢に応じて適切な薬を選びます。
  2. 必要であれば、迅速診断を行います。
  3. 処方と同時に予防策もご説明します。

 

 

 

 

 

まとめ

インフルエンザ薬は症状や年齢によって選ばれるべきです。何か疑問点や不明点がありましたら、ぜひ当クリニックまでお越しください。お子様の健康と安全を第一に考え、最適な治療を提供します。

ご質問やご相談がありましたら、くぼた小児科クリニック松戸五香までお気軽にお越しください。お待ちしております。